フジテレビは変わ(らざるをえなか)った。『夫婦別姓刑事』問題の対応――お詫び文言や社内弁護士による見解などの早急な発表を見てもそれはわかる。
って誰か言ってたが、あのお詫び文、急いでコトを納めたいあまり、やけにいろんなことを言い切ったような、しかし肝心なところが隔靴掻痒(かっかそうよう)みたいな文言を慌ててバタバタ出してきた、その感じはまさにフジテレビそのものな気がする。
いや、テレビ局が変わったのか変わらないのかは番組を見ないで判断するわけにはいかない。じつは「フジテレビは変わろうとしている」。
朝のワイドショーがなくなってしまったのだ。

『小川宏ショー』から『サン!シャイン』まで、半世紀以上続いていた朝ワイド枠消滅。情報ワイドからバラエティに変わる、とかじゃないんですよ。その枠が消えたの。前枠の『めざましテレビ』の終了時間が伸びて、後枠の『ノンストップ!』の開始時間が早まって、ワイドショー時間帯が消された。今年度からそういう番組編成になって私は「おい、フジテレビがたいへんなことに!」と思ったがあまり話題になってもなかったような……。『サン!シャイン』で「なぜ」と言われた武田鉄矢起用はローレライの歌声みたいなもんで、この枠の終焉を多くの人が自然と納得して、誰も騒がなかったんだろうか(それぐらい、武田鉄矢の存在はいつまでも異物感がありすぎた)。
で、新編成となって3ヶ月ばかり、ずっと「今まで朝のワイドショーやってた時間のフジテレビ」を見ていて、いったい何のためにこの枠を消滅させたのかがジワジワとわかってきた。
ボンヤリ見てるだけじゃ朝のワイドショー枠が消えたことは気づかないぐらいだ。芸能ネタ(ほぼ番宣や映画宣伝ネタ)、スポーツネタ(オータニサンやサッカーワールドカップで大騒ぎ)、事件があればいちおう扱うけどただ扱うだけ。今までだってそんなもんだったじゃないかと言われそうだが、『サン!シャイン』では谷原章介が、けっこうハッとするような、外部だからできるフジテレビへの批判的なコメントを言うことがあったし、小倉智昭だってそれがあった。フジの朝ワイドのMCは「一言なんか言わないといけない」程度のめんどくささがあった(まあ結果的にガス抜き程度にしかならなかったとしても)。その部分を消したわけですね。
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source : 週刊文春 2026年7月30日号






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