「オリンピックで使い捨てにされているのはみんな女性ですね」

 今週号の五輪記事を担当した入社2年目の女性記者は、原稿を書く先輩女性記者にこう漏らしたそうです。

 前回のニュースレターでお知らせした通り、今週号では開会式で起きていた新たな事件を報じました。さらに、開会式で渡辺直美さんを侮辱するような演出プランを提案し、責任者を辞任された佐々木宏氏が、閉会式でも唖然とするプランを提出していたことを、プレゼン資料と共に掲載しています。

 佐々木氏は、演出責任者だったMIKIKO氏にとって代わると、彼女のプランを切り刻み、都合のいいところを“つまみ食い”する一方、森喜朗氏や小池百合子都知事の要望は取り入れて、演出プランを作っていきました。入手した佐々木氏の演出プランを見る限り、それは“昭和のテレビのノリ”であり、“おっさんテイスト”全開です。渡辺直美さんを「オリンピッグ」にして「ブヒー」。そして、今回発覚した閉会式の元ネタは、テレビ番組の「アメリカ横断ウルトラクイズ」でした。その上で、天皇陛下にも○×クイズに参加させるというもの。東京オリンピックを締めくくる理念が全く伝わらない、こうしたセレモニーを、世界に向けて発信しようとしていたかと思うと、めまいがします。

 しかし、渡辺直美さんの侮辱演出プランが小誌報道で発覚し、佐々木氏が辞任した後も、組織委員会の体質は全く変わっていませんでした。

 開会式を翌日に控えた7月22日の夜9時、一本の電話が鳴りました。この日の午前、演出を統括していた小林賢太郎氏が解任。組織委員会は、「演出内容は小林氏一人で演出を手掛けている個別の部分はない」として予定通り、開会式を実施すると発表していました。

 ところが、実は、BGM2曲を差し替えていたのです。お笑い芸人のなだぎ武さんのパフォーマンスで使われる曲でしたが、小林氏の過去の公演のために作られた曲でした。夜9時の電話は、その差し替えの依頼。受けたのは、28歳の女性作曲家の関向弥生氏でした。何人かに断られた末、彼女にたどり着いたようです。関向氏は、そこから6時間で、30秒の曲を2曲完成させ、納品しました。時間は、開会式当日の午前3時。開会式の始まる17時間前でした。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

週刊文春電子版に超おトクな3年プラン59,400円が登場!月額プラン36ヵ月分と比べて19,800円、年額プラン3年分と比べて6,600円おトク!期間限定12月2日(月)まで!

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

  • 3年プラン

    59,400円一括払い、3年更新

    1,650円/月

    オススメ!期間限定

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春