久しぶりによく晴れた秋の日。少し本の整理をしていた。積んでいたものが、ざーっと崩れてきたからだ。
ヒマになったら読もう、と思っていたものが何冊かあるが、
「エイ、ヤッ」
と声をかけて処分することにした。
そのついでといおうか、勢いで、
「断捨離もやってみるか」
という気分になった。実は前にいた若い秘書が、そういうことを嫌がらずにやってくれて、靴や洋服をお金に替えてきてくれた。古ーいブランドの靴が、結構いい値段になって驚いたものだ。
私の姪も何度も高価買取り店に行ってくれた。なんでも、
「関西人の血が騒ぐ」
ということで、店をまわりいちばん高値で売ってきてくれたのである。
それに引きかえ、私は売るのが苦手である。一度行ったけれども、不愉快な目にあって帰ってきてしまった。
あれは数年前のこと。朝、新聞を読んでいたら一枚のチラシが入っていた。
「今、このバッグを探しています」
とある。それはある高級ブランドが、一時期販売していた、お人形の手足がついた小さな可愛いバッグである。昔、パリに行った時、面白い形だな、と思い購入した。それほどの金額ではなかったと記憶している。買ったきり忘れていたが、そのチラシには、
「中国の方が探しています。状態によっては100万以上の値がつくことも」
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source : 週刊文春 2026年10月22日号
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