フジ・メディア・ホールディングス(FMH)子会社のサンケイビルの一兆円争奪戦をよそに、もうひとつのフジサンケイグループの不動産が“陥落”しようとしている。FMHを追い込んできたアクティビスト投資家の村上世彰氏が、上場不動産投資信託(リート)の「サンケイリアルエステート」(サンケイRE)に王手をかけているのだ。
おおしかやすあき/1965年東京生まれ。早稲田大学卒業後、88年、朝日新聞社入社。『ヒルズ黙示録』でデビュー。『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』で講談社ノンフィクション賞受賞。3月末、朝日新聞社を退社。「週刊文春」で「村上とフジ『20年目の復讐劇』」を連載した。近著に『半導体 尖端覇権の興亡』(講談社)。
上場リートとは、投資家から集めた資金でホテルやオフィスビルなど不動産を運用する金融商品のこと。株式のように上場されていて、一般の投資家が売り買いできる。
サンケイビルのような不動産会社にとって、保有不動産の一部をリートに売却することで資金回収ができ、しかも資産・負債を減らせる利点がある。サンケイビルは、一等地の大手町の高層ビルを自社保有にして賃貸料を稼ぐ反面、空室率など浮き沈みのある一部のオフィスやホテル16件をサンケイREに移管し、リスクを回避してきた。
村上氏はこのサンケイREに対して1口12万5000円で公開買い付け(TOB)を始め、45%以上の取得を目指している。すでに長女の野村絢氏や村上氏の関係する三つの企業名義で29.9%を保有しているため、市場からあと15%余を取得すれば、TOBは成立してしまう。
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source : 週刊文春 2026年10月22日号
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