〈子供の時からの習慣で、新しいコメディアンが出ると、必ず観に行った。自分の目で確認しない限り、納得できなかった〉
小林信彦さんは2021年まで1117回続いた本誌コラム「本音を申せば」で、そう振り返っている。
10月19日、多臓器不全のため93歳で亡くなった小林さんは、確かな鑑賞眼と博識で、喜劇人、映画など数々の批評を残した。親交のあった萩本欽一さんも、その材とした一人だ。
なんか、大きな“図書館”がなくなっちゃった気分。60年前に出会って、いろんなことを教えてもらってきたから。あの時代の話を聞きたいなぁって時に、
「うち、おいでよ」
って言ってくれる人でね。それで昼間から夜遅くまでお邪魔したりして。通されたのは部屋じゃない。本の中。そこでず~っと話をしても飽きなかった。喜劇も映画も音楽も、何でも知ってる生き字引で、ホント図書館みたいな人だったの。

喜劇王のエノケンに声帯模写の古川ロッパ。戦前に活躍したコメディアンも観てるし、森繁久彌さんや渥美清さんの話もめっぽう面白い。だから、また時間をもらっては聞いてしまう。
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source : 週刊文春 2026年11月12日号
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