「仁鶴さんはカメラが回っていない時はとにかく寡黙。たまにオール巨人さんとゴルフの話をするくらいで、ほとんど誰とも喋らないんです。かといって陰気な感じではなく、読書好きでとてもインテリチック。だから、私は“ニカク”じゃなくて、笑福亭“ニヒル”やと思って見ていました」

 小誌にそう明かすのは、タレントの上沼恵美子(66)だ。

上沼は「“ニカク”やなくて“ニヒル”」

「四角い仁鶴がまぁ~るくおさめまっせ~」

 お馴染みのフレーズで、NHKの長寿番組「バラエティー生活笑百科」の司会を務めてきた笑福亭仁鶴が8月17日、骨髄異形成症候群で亡くなった。享年84。番組で長く共演していたのが、上沼だ。

「生活笑百科」の司会を長らく務めた(NHKより)

「私が姉と漫才を始めた10代の頃、四国で仁鶴さんの前座をするという営業の仕事があったんですね。会場の体育館は仁鶴さん見たさで超満員。私自身も生で仁鶴さんを見られるのを楽しみにしていたら、なんとヘリコプターに乗ってやってきたんです。さすが大スター、とにかく忙しくしていて、移動手段もえげつなくて格好良かった」(同前)

 その後、上沼は姉とのコンビを解散。86年、「生活笑百科」で仁鶴と再会を果たす。だが、そこには目に見えない大きな“壁”があったという。

「毎年バレンタインデーになると楽屋にチョコを持っていくんですけど、仁鶴さんは喜ぶ顔ひとつ見せずに『あぁ、はいはい』で終わり。本番でも仁鶴さんは営業スマイルばかりで、私が『大阪城が実家や』『姫路城は別荘や』なんて言っても決して笑って下さらなかった。だから、私はどうにかして仁鶴さんを笑わせたいと思っていつも本番に臨んでいたんです」(同前)

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source : 週刊文春 2021年9月2日号