東京都町田市の小学6年生の上野香織さん(仮名)が、2020年11月30日、いじめを訴えて自殺した問題で、児童が持つタブレット端末のチャット上に書き込まれた悪口が「ハッキング」で消されたと、小学校の校長(当時)が遺族に説明していたことが「週刊文春」の取材で分かった。小誌が入手した、香織さんの両親が昨年12月25日に校長と電話した際の音声データ(音声は「週刊文春 電子版」で公開)に残されている。
加害児童がチャットへ書き込んだ悪口が消えていた
香織さんの学校では児童一人に一台のタブレット端末が配られており、先進的なICT教育で知られていた。このICT教育をけん引していたのが、当時の校長だった。だが皮肉にもこの端末のチャット上で、香織さんへの「きもい」「死ね」などの悪口が複数の児童によって書き込まれていたのだ。
彼女の死後、学校側は加害児童などへの聞き取り調査を行っていたが、なぜか加害児童二人がチャットへ書き込んだ悪口が消えていたことが判明した。これについて、昨年12月25日に両親が校長と電話した際の音声データでは、両親は「香織のチャットは全て閲覧できたのに、なんで(加害者)二人のチャットは消えちゃってるんですか?」と疑問を呈している。
「分からない」「不可解」を連発
しかしその疑問に対して校長は、「私たちもそこがすごく疑問に思ったんですよ。香織さんのは全部遡って見れてましたよね」と返答。加害児童が消したのではないかという質問に対しても、「私たちは分からないんですけども」「なぜ消えたかっていうのはそこが私たちもすごく不可解なところなんですけど」などと、ひたすら「分からない」「不可解」を連発。
しまいには、こんな弁明が飛び出した。
校長 「なんかですね、あのその友達の中に、入り込むみたいな動きがちょっとあったんですよ」
証拠が消えた理由は、ハッキング
両親 「入り込む?」
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source : 週刊文春 2021年10月7日号