(みきたにひろし 1965年神戸市生まれ。88年に一橋大学卒業後、日本興業銀行(現・みずほ銀行)に入行。退職後、97年にエム・ディー・エム(現・楽天グループ)を設立し、楽天市場を開設。現在はEコマースと金融を柱に、通信や医療など幅広く事業を展開している。)
岸田首相は「新しい日本型資本主義」を掲げるが……
僕はIT企業を中心に作る経済団体「新経済連盟」の代表理事を務めている。2012年に活動を開始した団体だが、新経連が主張している内容はとてもシンプルだ。
「民でできることは民に」
金融やIP(知的財産)、エネルギー政策や人材、さらには移民政策とダイバーシティの重要性、教育改革まで――。僕らの提言のテーマは多岐にわたるが、全てが最終的にこのキーワードに集約されると言ってもいい。
なぜ「民でできることは民に」なのか。
先日行われた総裁選でも、この言葉を掲げた一枚のA3ペーパーを持って、各候補を訪ねて回った。
「我々の考えている成長戦略をぜひ説明させて下さい」
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source : 週刊文春 2021年10月21日号