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バッターボックスに立ち続けた女性副社長

三木谷浩史「未来」 第75回

三木谷 浩史

連載

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 先週の連載で書いたように、ダイバーシティが常識の世界では、「女性だから」「男性だから」などと意識すること自体がナンセンスなのだけれど、日本の社会や企業では未だ経営陣における女性の割合が少ないのが現実だ。

 僕と縁のある経営者の方で言うと、ディー・エヌ・エー創業者で現在は会長の南場智子さんが思い浮かぶ。彼女は1999年にディー・エヌ・エーを起業した。IT企業の経営者というだけでなく、今ではプロ野球チームのオーナーという共通点もある。しかし、彼女のような存在は日本では限られているのではないだろうか。

 楽天グループの経営陣も全体で見れば、まだ割合としては男性が多いけれど、そうした中で存在感を発揮しているのが、グループ副社長執行役員でCMO(チーフマーケティングオフィサー)を務める河野奈保という女性だ。

 SBI証券(旧イー・トレード証券)のマーケティング部から転職してきた彼女が入社したのは、2003年のこと。以降、楽天市場事業部で営業やマーケティングなどを担当し、現在は、楽天グループの副社長執行役員兼CMOとして、マーケティングを統括している。また楽天モバイルのCMOの肩書きも持ち、携帯キャリア事業を牽引している。

 振り返れば楽天という会社は創業以来、世界の中でも他に類を見ない独自の成長を歩んできていると同時に、とても泥臭い企業だ。

「楽天市場」では、食品から、ファッション商材、家電まであらゆるものを売っている。金融部門ではカード、銀行、証券、保険の事業を展開して、幅広い金融商品を扱う。今では携帯キャリア事業にも進出し、医療分野にも携わっている。

彼女が28歳の時に

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source : 週刊文春 2023年2月2日号

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