毎週木曜日の13時から始まるデスク会議。ここで、その週、何を取材するかを決めます。部員やデスクたちのプランを検討するのですが、通りやすいプランの条件の一つに、会議で話が弾むプランがあります。最近、その常連となっているのがF記者です。

 入社9年目の彼女は、7月の異動で初めて「週刊文春」に来ました。配属されたのは、「特集班」。30歳で記者デビューです。それを告げた時は、けっこうなショックを受けていました。いざ、スタートしてみると、陸上と登山で培った(!?)フットワークの良さを生かして、さっそく大きな戦力になっています。

 彼女の良さは、プランが面白いこと。「ナンバー」などで編集者を経験しただけあって、読者を意識しつつ、自分が面白いと思うポイントをしっかり入れてくる。

 実は、今週号では、彼女の出したプランが2本記事になっています。左トップ特集「最高の老後のコツ」の「介護を楽にする『アンダーヘア脱毛』って何だ?」、「『男の更年期』はこう防げ」です。

<45歳から始めるVIO脱毛のススメ
 これまで、VIO(アンダーヘア)脱毛は若い世代が行うものというイメージが強くありましたが、昨今VIO脱毛をする中年女性・男性が増えてきているそうです。その目的は、「介護される側になったときに、迷惑をかけないため」。リゼクリニックの調査では、40~50代の男女663名にアンケートを行ったところ、女性は50.9%、男性でも29.1%がVIO脱毛をしたいと答えています。女性にとってはもともとVIO脱毛の認知度は高く、10~20代でVIO脱毛をするという人も多いのですが、知り合いに聞いたところ、最近は若い子が通いがちなミュゼのような店舗でも、10人中3~4人くらいが50歳Overの客でVIOを頼むのだそう。また、男性も親の介護をする世代になってからVIO脱毛に関心を持つ人が多くなってきているそうです。若い子がするVIOと介護脱毛は目的が異なるため、具体的にどんな施術が行われるのかわからない部分も多いはず。そこで、気になる価格や脱毛方法(光治療器or医療脱毛orブラジリアンワックス)、施術の流れや痛みなど、VIOは人に聞きにくいことも多いと思うので、調査してみるのはいかがでしょうか。>

 提案理由があり、ちゃんと中心の読者層(中高年)を踏まえながら、データを入れて、そこに自分が聞いた話もある。完璧なプレゼンです。

 記者のプランには、タイトルがつけられていますが、いいプランは、このタイトルから魅力的です。私が記者にアドバイスする時に言うことの一つに、「プランにタイトルをつけてみろ」があります。タイトルが短くつけられるプランはいいプラン。長々と説明しないといけないプランは、読者に伝わりにくいのです。

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source : 週刊文春