12月7日現在、日本国内で確認されているオミクロン株への感染は、邦人一人を含む三例。いずれも海外からの入国の際、空港検疫で発見されたものだ。

 厚労省担当記者はいう。

「外国人の新規入国は原則停止。オミクロン株流行国に指定された地域からの入国者は、検疫所が用意した施設で決められた日数を待機するなどの“水際対策”を取っているが、オミクロン株の感染力はデルタ株を凌駕するといわれる。市中感染が見つかるのも時間の問題と考えておくべき」

 11月26日、WHOが警戒レベルの最も高い「VOC(懸念される変異株)」に指定したオミクロン株は急速に勢力を拡大し、感染が確認された国・地域は、瞬く間に50に近づいた。

最高ランクの警戒を呼びかけるWHOのテドロス事務局長

 南アフリカでは、10月時点で9割がデルタ株への感染だったが、11月末にはオミクロン株が7割超と、速いスピードで置き換わっている。その感染力が強いことは確実だ。

 現行のワクチンがオミクロン株に対してどの程度の効果を発揮できるかも未知数。国内の感染例はいずれもワクチン2回接種済みだった(2人はモデルナ、1人はファイザー)。

 そもそもオミクロン株が登場してまだ一カ月。国際医療福祉大学の和田耕治教授(公衆衛生学)が指摘する。

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source : 週刊文春 2021年12月16日号