記者から「総理に意欲はあるか」と問われ、「いつもあります。every day」と満面の笑みで昨年末の閣議後会見を締めくくったのは野田聖子少子化担当相(61)。「ポスト岸田」を目指す考えを強調した形だが、政府関係者は首をひねる。「『あの問題』が残る限り首相は無理だ」。
野田氏の夫が「元暴力団員」と司法で認定されたことだ。「週刊新潮」が夫を元暴力団員と記載した2018年の記事をめぐり、夫が名誉毀損で新潮社を訴えた控訴審判決で、東京高裁は12月23日、元暴力団員の記載について「真実と認められ、違法性はない」とした一審判決を支持し、夫の控訴を棄却した。野田氏は自民党総裁選前の昨年9月、フェイスブックに「今後の捜査により私の夫が元暴力団員ではないとの真実が明らかになると考えます」と投稿したが、再び元暴力団員であることが「真実」と認定された。しかし、控訴審判決後、1月3日時点で、フェイスブックでもツイッターでも敗訴には一切触れていない。
「12月の国会では共産党の小池晃参院議員との選択的夫婦別姓を巡る質疑で、『うちの夫も野田姓に変えて非常に負担を感じていて、私に腹を立てている』と自ら話題に。都合のいい時は国会でも使い、敗訴の時はだんまりでは余りにご都合主義」(政治部記者)
裁判に敗訴し、同じように遁走した自民党女性議員がもう一人いる。片山さつき参院議員(62)は、国税当局に口利きし100万円を受け取った問題を報じた18年の小誌記事をめぐり、損害賠償を求めて提訴していたが、東京地裁は12月27日、公益目的と真実相当性を認め、片山氏の請求を棄却。判決日は以前から分かっていたにもかかわらず、コメントを求めるメディアに片山事務所は「本人と連絡が取れない」と回答した。2日後、判決を批判するコメントの紙(なぜか皺クチャ)を〈司法クラブに投げ込ませて頂きました!〉とツイッターに一方的に投稿。
「ツイッター上では敗訴をかき消したいのか、選挙応援など自らの活躍を連日自画自賛。単に説明責任を果たさず逃げているだけで、呆れます」(前出・記者)
2人の弁護人は、実は同一人物。「無罪請負人」の異名を持つ大物弁護士の弘中惇一郎氏だ。
野田氏は野中広務氏や古賀誠氏らに可愛がられ、頭角を現した。片山氏は小泉チルドレンとして名を馳せた後、二階派に所属し、大臣職を得た。厳しい局面に正面から向き合わず、大物の威光を盾に、政治家としての説明責任から逃げようとする。人間性が隠せぬ年の瀬だった。
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source : 週刊文春 2022年1月13日号