“印税30億超”水島新司が描けなかった「最後の野球漫画」

「週刊文春」編集部
エンタメ スポーツ 読書

『ドカベン』『あぶさん』『野球狂の詩』など数々の野球漫画を送り出した水島新司氏が、1月10日、肺炎で亡くなった。享年82。

 

 新潟の実家に住む妹は、「私もショックを受けています。本当に優しい兄でした」と言葉少なに語る。

『ドカベン』は1972年に連載開始。シリーズは46年続き、単行本は累計205巻。「スポ根」一辺倒から脱却し、主人公の山田太郎をはじめ、岩鬼正美ら個性豊かなキャラクターが試合毎に脚光を浴びる新たな野球漫画を開拓した。

 39年に新潟で生まれた水島氏は三男三女の次男。家業の魚屋を手伝いながら漫画を描き始めた。

「中学時代は家業が多忙で、年3日しか通学できなかったそうです。地元の野球強豪校、新潟明訓高校への進学が夢だったが断念。『ドカベン』の舞台は“明訓高校”ですが、この時の思いが野球漫画創作へのバネとなった」(出版関係者)

 貸本漫画家時代を経て、70年代に入り野球を題材にするや一躍売れっ子に。

「70年代から2億円以上の収入があり、長者番付の常連。東京都内の自宅兼仕事場の敷地面積は約470坪で、土地建物合わせて少なくとも13億円ほどの価値があるといわれる。朝5時から夜6時まで執筆活動を行い、そのあと野球観戦する生活を送っていました」(スポーツ紙記者)

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source : 週刊文春 2022年1月27日号

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