ついに編集部に感染者が…

編集部コラム 第43回

「週刊文春」編集長
ニュース 政治

 木曜日、デスク会議のことでした。デスクから、昨日から記者が高熱を出しているとの報告がありました。嫌な予感がしましたが、これまで小誌は一人も新型コロナの感染者が出ていませんでした。何人かが発熱し、検査を受けるのですが、ことごとく陰性だったのです。ところが、その直後、スマホを見たデスクから「あ、陽性だそうです」。

 いざ、その時を迎えると、けっこうショックが大きいものです。陽性になったのは、新人のH記者(23)。彼と接触していた人物を洗い出すと、一人のデスクが二日前に打ち合わせをしていたことが判明。デスク会議から即退出させ、会社の抗原検査キットで検査してもらいます。他にも、H君と接触していた記者には、会社に上がらないように連絡し、各自検査をしてもらうことに。

 それから「濃厚接触」とは何かを調べると、おおよそ「15分以上マスクを外しての会話」だということです。該当する人間はいませんでしたが、念のため、接触時間の短かった人は抗原検査、多少長かった人はPCR検査を行うことにしました。

 抗原検査はすぐに結果が出て、みな陰性。デスクも戻ってもらい、会議を再開しましたが、女性記者が出社する最中に気分が悪くなって電車から下車したとの連絡が入ります。彼女は、帰宅して検査を受けることになりました。

 そして、翌日金曜日、今度は別の男性記者が高熱を出したとの報告が……。さすがに、編集部に感染が広がっているのではないか、と恐怖を覚えました。前日の木曜日は、特集班は2班だけプラン会議を行っていましたが、その判断を後悔しました。幸い、この記者は会議に出席する班ではなく、所用で短時間、会社に上がっていただけでした。それでも、多少なりとも接触した人は検査を行うことにしました。そうしていくと、フルで動ける記者がどんどん減っていきます。

 そこで、編集部に「緊急事態宣言」を発令。特集班については、基本的に会社に上がらない、セクション・グラビア班は、2チームに分け、違うチームの人とは接触しないようにしました。

 感染したH君に電話をかけると、メチャメチャ暗い声で「ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」。気にするなと励ますのですが、返事の声も「はい…」と沈んでいます。翌日、電話すると38度あった熱が37度代に下がって多少、楽になったようですが、相変わらず声は暗いまま。とにかく咳がしんどいとのことでした。

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source : 週刊文春

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