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巨人菅野に阪神藤浪が弟子入り “伝統の一線”越えの先には…

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「週刊文春」編集部
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 12月20日から約1カ月、沖縄・伊良部島で自主トレを行った巨人の菅野智之投手(32)。同僚の中川皓太投手、鍬原拓也投手のほか、阪神の藤浪晋太郎投手(27)もメンバーに加えた。

「藤浪は昨季、開幕投手を務めるも制球難で4月に二軍落ち。6月に中継ぎで昇格したが、わずか3勝に終わった。10年目の今季は崖っぷちで、なりふり構わず菅野に頼み込んだのです」(在阪メディア関係者)

阪神9年間で54勝49敗の藤浪 ©共同通信社

“伝統の一線”を越え、宿敵・阪神の投手と自主トレをするのは異例中の異例。だが、菅野は「他球団の選手だからとか、そういうのは嫌なんですよ。同じ野球人として互いに高めていければ」と器の大きさを見せた。さらに「藤浪が苦しんでいるのは制球力。そこに関してはメンタル、技術両方あると思う」と分析。具体的なアドバイスを送った。

 菅野が真っ先に指摘したのは右の軸足が三塁方向に折れ、体重移動の際に体が本塁の方向からぶれる癖だ。

 番記者は「この悪癖のせいで、右打者の頭に向かってボールがすっぽ抜ける傾向が直らない。菅野のアドバイスはもっともなのです」と話す。ただ、その一方で「この欠点はオフの風物詩のように、これまで師事した先輩たちから何度も指摘されてきた。それでも直らないのだから根が深い。もし藤浪が良くなったら、阪神は菅野にコーチ料を支払うべきです」と苦笑する。

 過去の藤浪の合同トレーニング相手は豪華の一言。2015年1月には前田健太に脱力の必要性を説かれ、制球力の向上を図った。16年末はダルビッシュ有に師事し、フィジカルを強化。18年1月には大リーグNo.1左腕のクレイトン・カーショーからカーブを習った。

 異業種とのコラボもある。18年末には武豊騎手がプロデュースするジムに入門。肩や股関節の可動域を広げるトレーニングに励んだ。

 今回の自主トレでは菅野を質問攻めにし、「新しい視点でできている」と手応えを感じた藤浪。一方の菅野は「短期間で教えて変わっているなら、とっくに変わっていると思いますよ」と冷静な発言をしていた。

「それでもこの自主トレは両者の間にパイプができたという意味で大きい」と話すのは夕刊紙デスクだ。巨人の原辰徳監督は昨オフ、サンスポの江本孟紀氏との対談で「何年間か、藤浪を出してよ、と阪神には言っているんですよ。俺がちゃんと男にするから」と、獲得する意志を明かしている。

 前出のデスクは「原監督は藤浪をまだ諦めていない。日ハムから中田翔を獲ったように、相当な出血を覚悟してでも獲りに行く用意はあるようです」と語る。

“呉越同舟”は禁断の移籍のウォームアップとなるか。

source : 週刊文春 2022年2月3日号

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