A級順位戦とは将棋界でもっとも華やか、そして一番過酷な場所である。棋界のトップ棋士10名が総当たりのリーグ戦を行い、一位が名人挑戦者、下位二名がB級1組に陥落となる。
去る2月4日、名人・A級連続二十九期の羽生善治九段が陥落したと大きなニュースになった。
永世七冠、タイトル通算九十九期。国民栄誉賞受賞……私は二つ年上だが、特別な存在の棋士の降級は、やはり衝撃的だった。
同時に(今期は羽生九段より成績上位のA級棋士が8名いただけ)との感情も湧く。渡辺明名人だって2018年にA級から陥落されているが、翌年B級1組を12戦全勝し昇級。また52歳で現役A級棋士最年長の佐藤康光九段も、過去に降級を経験されている。
「次の一局に全力を尽くしたい」。残りのA級順位戦最終局に向けての羽生九段のコメント。一期でのA級復帰を願うファンは多い。
私は羽生九段と過去に非公式戦を含めて八局の対戦がある。勝敗は……全敗なのだが、そのうち私の先手番は七局。全く意味はないが、振り駒の運だけなら私が上である。
一番最近の対局は2019年。対局後、羽生九段を交えて観戦記者の方など数人で食事に行った。
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source : 週刊文春 2022年2月24日号