北京五輪フィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得したネイサン・チェン(22・米国)。世界選手権三連覇の実績を引っさげて北京入りしたが、待っていたのは思わぬ逆風だった。
父が広西チワン族自治区、母が北京出身と中国にルーツを持つため、応援されているのかと思いきや、SNSでは両親が米国に帰化した「裏切り者」として批判の的に。中国人記者からは試合前に何度も「中国系アメリカ人として」というフレーズの質問をされたが、常に笑顔で「父と母が出逢ったのは北京で、親戚もいっぱいいます。リンクも最高だし、中国に来られて嬉しいです」と答えていた。
中国のSNS「微博」でファンサイトのフォロワーは、羽生結弦が200万人を超えているのに対し、チェンは約9000人。それを踏まえてこんな意地悪な質問も。
「あなたは一番人気の選手ではありませんが、中国ファンに喜んでもらうにはどうしたらいいか」
チェンは顔色も変えず、「目の前にあることをやるだけ。一番人気じゃないのは分かってる。僕も結弦のファンだ」と笑って返した。
また、練習中に他の選手は外していても、不織布ではないカップ型の立体的なマスクを外さないチェン。
「あなたの顔を見られるのはいつなの? 低酸素トレーニングをしているの?」
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source : 週刊文春 2022年2月24日号