「NTTの内部情報に強いですね」
ある企業広報の方から、こんな連絡がありました。先週号でNTTドコモ、今週号ではNTTグループの主要各社で“賃下げ”の動きがあることを報じています。ただ、その方が指摘するには、「週刊文春」は1年ほど前にも、NTTが総務省幹部を接待していたことをスクープしている。NTT内部に相当、「ディープスロート」(ハイレベルの内部告発者)がいるのではないか、というのです。そして、それは澤田純社長体制の“反主流派”ではないか。
小誌のスクープが出ると、その出所を巡って、さまざまな「解説」や「妄想」、はたまた「陰謀論」が飛び交います。2年前、菅原一秀経産相、河井克行法相が2週連続で辞任した時は、「(当時の)安倍晋三首相が菅義偉官房長官を切るために、菅側近の閣僚のスキャンダルを文春に流した」と解説している元政治部の新聞記者の人がいました。こんなトンデモ話はさすがにスルーします(笑)。ただ、電子版をお読みいただいている皆さんには、情報源の秘匿を守りつつ、今回の舞台裏をお話しします。
スタートは、文春リークスにもたらされたドコモ社員の嘆きでした。“人探しのプロ”で知られるS記者は、その情報を端緒に、ドコモで月10万円にもなる“賃下げ”提案が行われていることを掴み、裏をとっていきました。記事のダイジェストを先週のスクープ速報で出したところ、ツイッターを中心に大変な反響がありました。
すると、文春リークスにさらにグループ各社の社員から情報提供が相次ぎました。「ドコモだけじゃない、うちもです」。S記者は、丹念に情報提供者に取材を重ね、その裏付けとなる文書も入手しました。加えて、NTT労組にも取材しました。社員たちから「労組が御用組合で戦ってくれない」との声を聞いたからです。
そうして、第二弾が出ました。今週もツイッターでトレンド入りするなど、さまざまな論議を呼んでいます。「NTTの福利厚生はこんなに手厚かったのか」「過去最高益の見通しなのに“賃下げ”はひどい」…。
中にはNTTの経営陣を評価する声もありました。年功序列に近い給与体系では国際競争に勝てない。アマゾンでは、エンジニアの給与の上限を4000万円に引き上げました。NTTグループでは、若手の技術者が高給でGAFAに引き抜かれるケースが相次いでいるそうです。30代後半から50代の給料を削減し、若手や優秀な社員へのインセンティブにまわす。経営者として正しい判断だというのです。
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NTT“賃下げ”衝撃情報はこうしてもたらされた