4人のスキーヤーが、五輪の舞台で喜びを爆発させた。(左から)山本涼太(24)、渡部暁斗(33)、永井秀昭(38)、渡部善斗(30)は17日に行われた北京五輪ノルディック複合団体で3位に入賞。団体としては28年ぶりにメダルを獲得した。渡部暁斗は個人ラージヒルとともに二つの銅メダルを手に入れ、3大会連続メダルとなったのである。
「団体でなかなか結果が出ず苦しい思いをしてきました。今回のメダルで選手たちはもちろん、スタッフも報われたと思います」
そう語るのは、ノルディック複合で渡部暁斗らと肩を並べて平昌五輪に出場した山元豪(27)である。
「暁斗さんは本当に研究熱心。僕が教えたことを僕以上に勉強して、教え返してくれるんです。例えば19年のシーズン。二人で髪を伸ばしていたのですが、ヨーロッパは乾燥していてお互い切れ毛に悩んでいたんです。僕がヘアオイルを勧めた後、帰国した際に彼が持っていたのはごま油。『これを髪に塗るんだ』と大真面目に言っていました(笑)。ヘアオイルを突き詰めた結果のごま油らしいんですけど、競技に関係なく、物事を極めようとする職人気質なところがありますね」(同前)
ナショナルチームに所属していた永峯寿樹(24)は、渡部暁斗から衝撃的なアドバイスを受けたという。
「高校3年のとき、暁斗さんにクロスカントリーの走り方を聞いたら、『骨で走るんだ』と言われました。彼は細いんですけど、骨と腱をうまく使っているから、余計な筋肉に体の動きを制限されず、本来持っているパワーを引き出すことができるんです。今のチームの中でも、特に暁斗さんは体の使い方がピカイチだと思います」
アルペンスキーで4大会連続五輪出場した佐々木明(40)が、彼の意外な一面を明かす。
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source : 週刊文春 2022年3月3日号