肝臓がんで入退院を繰り返しながらも執筆を続け、病床でも最期まで新作への意欲を口にしていた西村京太郎氏が3月3日、永遠の旅路についた。享年91。
東京生まれの西村氏は公務員を29歳で退職後、執筆生活に入った。1978年の「寝台特急(ブルートレイン)殺人事件」が大ヒット。以降、トラベルミステリーを執筆し続け、「日本一のベストセラー作家」となった。文芸評論家の郷原宏氏が語る。
「特に十津川省三警部が主人公のシリーズが大人気になった。ずっと10誌以上に連載し、毎月のように新刊を刊行し続けた。旅情あふれる作品は映像化にも適しており、高橋英樹、渡瀬恒彦らが十津川警部に扮したテレビドラマも有名です」
西村氏は、「僕は『煙管(きせる)作家』なんだ」と語っていたという。
「吸い口と先が金属製の煙管を自分の書き方に喩え、『始まりとオチはしっかり決め、煙の通り道である中身は流れるように書く』という意味です」(同前)
書籍の売り上げは累計2億部超。1冊の販売価格が600円、印税10%と仮定すると総額120億円以上。長者番付の作家部門では7年連続1位。推定年収5億円以上の年もあった。
「『僕はどうしても長者番付1位であり続けたいんだ』とステータスにこだわっていました」(文壇関係者)
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
キャンペーン終了まで
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
オススメ!期間限定
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
有料会員になると…
世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
source : 週刊文春 2022年3月17日号