女優に性行為を強要 芸能界の闇はなぜ封印されるのか

編集部コラム 第50回

「週刊文春」編集長
ニュース 政治

 今週号で報じた「女優4人が覚悟の告白『人気映画監督に性行為を強要された』」の波紋が広がっています。4人の女優が、映画監督・榊英雄氏(51)から性行為を要求されていたことを「週刊文春」の取材に告白。榊氏が監督した「性被害」をテーマにした映画「蜜月」は、3月25日に公開される予定でしたが、いったん中止されることになりました。

 女優の皆さんが告白を決断されるまでには悩み、苦しみ、葛藤がありました。1人の方は、被害を受けた後、女優を辞め、結婚されていました。小誌の取材にこう打ち明けました。

「私のような被害者を出したくない。あんな人を野放しにしてはいけないと思い、今回取材を受けることを決めました。夫にも初めて被害の内容を打ち明けてからこの場に来たんです」

 アメリカでは、ハリウッドの大物プロデューサー・ワインスタイン氏がその地位を利用し、多くの女優を毒牙にかけてきたことが、2017年に明るみに出ます。女優たちが続々と声を上げたことで、「#MeToo」運動の大きなうねりが生まれました。

 日本でも、芸能界における性被害は噂されてきました。しかし、アメリカのようにメディアで大きく取り上げられることはありませんでした。実は、これまで何度か、一部のメディアで被害者が声をあげています。しかし、主要マスコミである新聞、テレビがそれを報じることはほとんどありません。

 背景にあるのが、芸能事務所が持つ大きな力です。一例をあげましょう。ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏は、所属する少年タレントに対して性行為を行っていました。「週刊文春」は、1999年10月から、この問題を報じます。取材に応じた10名以上の元ジャニーズ・ジュニアが生々しい被害の実態を証言したのです。ジャニーズ事務所は裁判に訴えましたが、ジャニー氏による性加害は裁判所で認定されました。

 しかし、それでも本件は大きく報じられることはありませんでした。ジャニー氏は何らペナルティーを受けることはなく、その後もジャニーズ事務所のタレントたちは芸能界を席巻し続けました。なぜ、大手メディアは沈黙し、性加害は封印されたのでしょうか。

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source : 週刊文春

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