「ロシア軍が原発攻撃って誰が言ってるんだ。分かんないだろ。(ウクライナ側の)自作自演の可能性もある。それに誰も気が付かないって、何やってんの?」
これだけ聞けば陰謀史観に毒された御仁のようだが、発言者は日本経済新聞の紙面作りの最高責任者だ。

日経社員A氏が明かす。
「これは3月4日午後に行われたオンライン会議での井口哲也常務取締役兼編集局長の発言です。4日午前(日本時間)に、ウクライナ南部のザポロジエ原発がロシア軍の砲撃を受け、うちの同日夕刊でも1面トップで報じています。その内容を受けて、こう激怒したのです」

各部のグループ長や一部デスクら、40〜50人が耳をそばだてる中で、興奮気味にさらにこう言った。
「いい加減にしてよ。全員立たせて怒鳴りたい。下手したら世界的大誤報だぞ。一体君らは何のためにそこに座ってるんだ」
日経社員B氏が語る。
「井口氏は次期社長候補の一人ですが、普段から高圧的で、記事へのマイクロマネジメントも度が過ぎる。今どき各部のベテランに『全員立たせて怒鳴りたい』とは呆れました。裏付けをきちんと取れと言いたかったのかもしれませんが、そもそもロシア軍による原発攻撃も事実なわけですし」
井口氏はどんな人物か。
「早稲田大から1985年に入社し、主に産業畑で自動車や商社などを担当してきた。経済金融部長やアジア編集総局長を歴任し、2019年に編集局長に就任。この春から4年目に突入する異例の長期政権になっている」(同前)
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source : 週刊文春 2022年3月24日号