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ウクライナ善戦を支える31歳デジタル相とPR会社

「週刊文春」編集部
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 ウクライナの首都キーウは1日で陥落する――。ロシアの侵攻直前、米情報機関はこう分析していた。だが既にひと月半が経過し、ロシア軍は撤退し始めている。この“善戦”の裏には、国内外でウクライナを支える存在があった。

 国内でゼレンスキー大統領をサポートするのが、ミハイロ・フェドロフ副首相兼デジタル担当大臣(31)。

格好もラフなフェドロフ氏

「大学卒業後、24歳でマーケティング会社を起業。ゼレンスキー大統領の会社も顧客のうちの一人です。2019年の大統領選でアドバイザーに就任し、SNSでの広報戦略などを主導しました」(国際部記者)

 選挙後、28歳で大臣に抜擢された。目標は「世界で最も便利な国を作る」ことだ。

「台湾のオードリー・タンのような存在。行政サービスの電子化で存在感を示していましたが、戦争でも力を発揮しています」(同前)

 ロシアの侵攻開始翌日から、フェドロフ氏はツイッターで反撃へ乗り出した。

「アップルやグーグルなどのCEOへ、ロシアでのサービス制限を依頼するメッセージを送付。1週間以内にアップルはロシアでの新型iPhoneの販売を中止した。グーグルはロシアでのグーグルマップの機能を制限した。フェドロフ氏はこれを『デジタル封鎖』と呼んでいる」(同前)

「IT軍」設立も宣言。誰でも参加可能で、メッセージアプリ「テレグラム」に、ロシア政府や企業など、サイバー攻撃の対象サイトや方法が次々と書き込まれる。

 テレグラムではロシア軍の動きを当局に報告する仕組みも立ち上げた。内務省はサイトで、捕虜や殺害されたロシア兵の映像を公開。顔認識のAI技術を使って身元を特定、ロシア兵の家族のSNSを探し、当局が連絡して、遺体回収を手配出来るのだ。

 睡眠は3〜4時間、シェルターでの生活という過酷な状況で戦略を打ち出し続ける若き大臣。東京大学先端科学技術研究センター専任講師・小泉悠氏も驚く。

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source : 週刊文春 2022年4月14日号

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