昨年5月20日、トヨタ系労組の政治団体「全トヨタ政治に参加する会」(参政会)の幹部会合で示された〈複写厳禁〉資料。出席者が目を丸くしたのは、〈現状を放置した場合のリスク〉として記載された〈当会の解散〉という文言だった。
トヨタ自動車グループの労組「全トヨタ労連」(全ト)は、約35万人の組合員を抱える巨大組織だ。連合を支える自動車総連内の中核労組であり、政治的影響力も大きい。組合出身者を組織内議員として、送りこんできた。
「現在は国民民主党の浜口誠参院議員と愛知県議5人がいます。国民民主党などで衆院議員を6期務め、昨年秋の衆院選で出馬を見送った古本伸一郎氏(現愛知県副知事)も全ト出身でした」(政治部記者)
彼らに資金援助をするための組織が、参政会だ。
「1995年の政治資金規正法改正で、労組から政治家や政治団体への直接献金が禁止された。翌年に設立されたのが参政会です。一人あたり毎月60円を徴収し、全トの各労組に設けられた参政会支部の口座に集める。それを年末に参政会本部の口座に集約した上で、議員側へ献金するというスキームです」(組合員)
参政会の2020年度の政治資金収支報告書によれば、23万119人から会費名目で2億2713万円を集金。そこから古本氏の関連団体や政党支部に計1.1億円、浜口氏に計8000万円を寄付していた。
ところが――。
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source : 週刊文春 2022年4月21日号