新聞や雑誌等の紙媒体がニュースのデジタル化によるマネタイズ(収益化)を模索する中、独自の生き残り策に賭ける媒体がある。宇宙人や人面魚発見など“異色スクープ”を飛ばしてきた夕刊紙・東京スポーツだ。
「上層部はすっかり“物販事業”に夢中です。新聞なんておまけで出しているようなもの」と現場記者が苦笑する背景には、昨年9月に販売開始した「東スポ餃子」の猛プッシュがある。
「東スポならではの『話を盛る』ことをヒントに、一般的な餃子よりニンニクを3倍も“マシマシ”で入れている。現在は100店舗以上の外食チェーンやECで展開しています」(同前)
果たして勝算はあるのか。
「東スポはあくまでも“名義貸し”で、餃子は売れた分の30%がうちの利益。FPの資格を持つ取締役編集局長は『開発費や製造ラインも不要。確実に儲かる事業だ』と力説しています。ただ、うちはいったい何の会社なのか……」(同前)
昨年、社員約350人のうち100人の希望退職を募集。80人近く退社したが、幹部社員は鼻息荒く語る。
「わが社なりに経営資源の選択と集中をした結果が、この“東スポフーズ”の誕生です。第2弾の『東スポからあげ』の販売も開始済。さらにたこ焼き、シュウマイなどの商談も相次いで控えている。いずれは『ミス東スポ』が接客する居酒屋をやる構想もあります」
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source : 週刊文春 2022年4月28日号