私の弟子や将棋教室の生徒には学生が多く、学校内での話をちょくちょく聞く。将棋関連の話は経験者とクラスメイトで視点が全く違い、それを知るのが参考になる。
将棋ファンでない若者はこう考えているのか、と棋士のあり方も考えさせられるのだ。
これから書くのは、私の将棋教室に通う、高校1年生のA君(将棋には詳しいが、特別入れ込んではいない)から聞いた話だ。
彼の高校では4月に入学した新1年生を対象に部活の説明会があるそうだ。本来、それぞれの部の活動を直に見せるのだが、コロナ禍なのでそれは自粛。代わりに1年生の教室で、それぞれの部活動をまとめた動画を見るのだそう。
今まで興味がなかった部に関心を持つこともあるだろうし、合理的な試みと私は感心した。
「素晴らしいね」
「でもこんなことがありました」
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source : 週刊文春 2022年5月19日号