先週、中条きよしさんの名曲「うそ」について書いた。
そのためYouTubeで、ずーっとこの曲を流し、すっかりハマってしまった。心にしみいる、甘く官能的な歌声。なんて素敵な歌詞なんだろう。
このページの担当編集者も、
「昭和の黄金期の、歌謡曲ってたまりませんねー」
とLINEでおくってきた。
これほど情景が浮かぶ歌が、最近あるだろうか、歌手は希望がどうしただの、僕は悲しいんだとかなんちゃら……。
ある人が書いている。昔はプロの作詞家にプロの作曲家がつき、歌手の歌唱力とが合わさって、3倍にも5倍にも世界が拡がった。しかし今のアーティストは、全て自分でやろうとする。うまくいく時はいいのだが、たいていはスモールワールドになってしまう。
私たちの時代は、ユーミンとか井上陽水さん、中島みゆきさんといった、とてつもない天才が出現し、すごい歌を聞かせてくれた。歌詞と曲が完璧にからみ合うのは、自分でつくっているから。
現代のアーティストも、同じ条件だが、曲のパワーが年々下がっていると感じるのは私だけだろうか。「若者たちのカリスマ」と紹介されるが、ふうーんという感じ。ちょっと流行ってすぐに消えてしまう。
こういうことを書くと、年寄りはだからダメなんだと言われそう。黙って「うそ」を聞きましょう。
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source : 週刊文春 2022年5月26日号