国立大野球部が全国で旋風を起こしている。頭脳でフィジカルを補い、私大を倒す。その知られざる戦略とは――。名門4校の秘密に迫った。
撮影 杉山拓也
東京大学|最下位脱出の鍵は“定量化”にあり
49季連続最下位。
東京6大学野球の万年最下位に甘んじる東京大学だが、浮上の兆しが見え始めている。昨春の法政大戦で連敗を64で止めると秋には立教大を倒し、今春も早稲田と2試合連続引き分け。
こうした粘り強さの背景には、徹底したデータ分析がある。永田悠・学生コーチ兼アナリストが語る。
「トラックマンという弾道測定器から得られるデータを解析し、相手との差を埋めるのがぼくらの仕事。数字の羅列を可視化したりしてわかりやすく伝える、いわば通訳のような存在です」
得られるデータは6大学で差はなく、解釈は部員の頭脳に委ねられる。永田アナリストは、そこにアドバンテージがあると考えている。
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source : 週刊文春 2022年6月23日号