先週号でもちらっとお話ししたが、安倍元総理が亡くなったのは本当にショックであった。それもあのような非業の死を遂げられたのだ。
どうして警官でもSPでも、ひとり後ろを向いていなかったのか。
どうして前に立っていた人が、早く気づいて叫び声をあげなかったのか。
口惜しくて口惜しくて、ある時からニュースを見なくなった。
安倍さんの後ろには、はっきりと犯人が映っている。こんな近くまで来ているのに、どうして誰も何も気づかないんだ。
眼鏡をかけたふつうの男。この人が何分後かに銃を取り出す。迷うことなく撃つ。
なんと怖しいことだろうか。
安倍さんのことがあってから、まわりの人に急に言われるようになった。
「ハヤシさんも本当に気をつけて」
安倍元総理と比べるべくもないが、私ごときでもおかしな手紙がちらほらとくる。日大理事長就任に際して、大学の公用車は使わないと宣言した私であるが、この頃バンに乗せてもらうようになった。
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source : 週刊文春 2022年7月28日号