日本初の独立系投信会社として知られる「さわかみ投信」(東京都千代田区)。同社の最高投資責任者が、6月30日の臨時株主総会で事実上、更迭されていたことが「週刊文春」の取材でわかった。創業者・澤上篤人元社長(75)らが取材に対し、退任を認めた。
さわかみ投信を1996年に創業した澤上氏は“金融界のレジェンド”と呼ばれる人物だ。「さわかみファンド」一本の運用にこだわり、長期投資の重要性を唱えてきた。
ただ、2011年に社長から会長に退くと、2013年に社長に就任したのが、息子の澤上龍氏(46)だった。
「龍氏は専門学校卒業後、飲食店勤務などを経て、2000年にさわかみ投信に入社しました。金融の知識は乏しかったものの、“御曹司”として出世を重ねていった。昨年6月には篤人氏が会長を退任し、龍氏が“一本立ち”を果たしたと見られました」(現役社員)
会社の功労者を事実上“更迭”
だが、6月30日の臨時株主総会で、取締役最高投資責任者の草刈貴弘氏が突如、退任し、親会社のさわかみホールディングスへ異動することが発表された。「事実上の更迭人事」(同前)とされる。
草刈氏は2008年、さわかみ投信に入社。2015年に最高投資責任者に就き、社内では「約2000億円の運用資産を約3400億円に成長させた功労者」(同前)と言われてきた。社員からもこの人事に対し、反発の声が上がったという。
にもかかわらず、なぜ、更迭されたのか。
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source : 週刊文春 2022年8月11日号