マスクをするようになり、もう3年近くになる。もはや顔の一部となっているのは事実だ。
ズボラな私は最初の頃、
「これで化粧をしなくてもいいかも」
と、ちょっと嬉しかった。
眉をちょこちょこっと描いただけで、平気で電車にも乗った。真夏でもスッピンで出歩く。マスクをしているから紫外線から守られていると思っていた。
ところが気づくと、大きなシミがいくつか。
「ヒエーッ!」
必死でパックに励み、高い美容液を叩き込んだ。
今は勤めていることもあり、毎朝きちんとお化粧をする。そしてメイクの仕上げのようにマスクをかける。
ここでまた問題が。いい加減な性格の私は、飲んだり食べたりするたびにマスクが裏返ることが多い。
「口紅がついてるよ」
注意されることもしょっちゅう。
私が選ぶのは大判マスク。顔が大きいこともあるが、あの覆われる感じが好きなのだ。
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source : 週刊文春 2022年9月22日号