道路を歩いていたら、「髪をちゃんと隠していない」と警察に逮捕され、その後、急死。娘がこんな目にあったら、親が怒るのは当たり前。親でなくても、「なんでこんなことが起きるんだ」と怒りますよね。これがいま中東のイランで起きていることなのです。

 イスラム教の教えでは、女性は髪をヘジャブ(髪の毛を覆うスカーフ)などで隠さなければならないとされています。とはいえ、同じイスラム圏でも、この教えを厳格に守る国と、比較的自由な国があります。イランは、1979年に起きた「イスラム革命」によってイスラム原理主義勢力が政権を掌握し、この教えを厳格に守る国になりました。1983年にはこれを定める法律が施行されました。

 この法律は、9歳以上の女性は公の場所でヘジャブを着用して髪を隠さなければならないというものです。こうした法律を守らないなど、政権が守るべきだと考える決まりに反する人物を取り締まる「道徳警察」が設立されました。

 今回の事件は、イラン西部のクルディスタン州出身のマフサ・アミニさん(22)が9月13日、首都テヘランで「ヘジャブの着用が不適切」だとして逮捕され、警察署に連行された後、「意識を失った」として病院に搬送されましたが、16日になって死亡したというものです。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

週刊文春 電子版 PREMIUMMEMBERSHIP 第1期募集中 詳しくはこちら

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

スクープを毎日配信!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2022年10月13日号