用事が出来、連休を利用してオーストラリアへ行ってきた。
このところ海外に出かける人が周りにぐっと増え、いかに円安がひどいかをさんざん聞かされる。
「ハワイでラーメンが3000円した」
「しょぼいブレックファーストが、6000円だった」
しかしそれもみんな自慢話に聞こえるのは、私が3年以上海外とは無縁だったからだろう。
北海道がいちばん遠い旅先だった。
今回久しぶりの海外旅行とあり、何日も前からそわそわ。今まではパッキングするのは出発の前夜だったのであるが、3日前からスーツケースを出すほどだ。しかしロックを解除する番号をすっかり忘れているではないか。
夫に尋ね、
「どうして確かめてから、スーツケースを閉めないんだ」
といつもどおりネチネチ。
が、それだけではない。着替えの服や、持っていく化粧品の按配もわからなくなっている。
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source : 週刊文春 2022年10月20日号