11月下旬に都内の公立中学に通う3年生が受験する英語スピーキングテスト。だが直前の今も専門家からの疑問の声や、導入反対の署名運動が続く。そして都議会でも反旗を翻す議員が。一体何が問題なのか、徹底検証する。
10月7日金曜日、東京都議会本会議で“異変”が起きた。都内の公立中学に通う3年生のほぼ全員を対象に、11月下旬に実施される英語スピーキングテスト(ESAT-J)。この結果を、来春の都立高校の入試合否判定に使わないよう求めた立憲民主党提出の条例案が、記名投票で採決された時のことだ。
「この条例案を巡り、ESAT-Jを推進する都民ファーストの会は当然反対の立場をとっていた。しかし、3名の都民ファ都議が真っ向から造反し、賛成票を投じたのです」(都政担当記者)
そのうちの1人、田の上いくこ都議は理由をこう説明する。
「一番の問題は不平等、不公平というところ。都立高校の入試においてはあり得ないもので、取り入れてはいけません。でも教育委員会が9月22日に開かれて要項も出来上がり、来春の入試に導入されることが正式に決まってしまった。教育委員会の暴走を止めるために、この(合否判定に使わないようにする)条例は非常に重要であると思って賛意を示しました」
都庁に11年勤めた経験をもつ米川大二郎都議も造反した。行政の判断について、こう疑問を呈する。
目的と手段が見事に矛盾
「これまでの議論の中で(テストに)問題があるのはわかっているけど進めていくという。都庁の先輩方に聞くと『おかしいよね』という声が実際にあります。こうした場合は、立ち止まって検証してから進めるべきなんですが、それなしで進んでいってしまっている。結論ありきで、機関車が暴走しているような状態です」
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source : 週刊文春 2022年10月20日号