「我々が転売ヤーに頼っているのは事実です。でも、そうせざるを得ない状況を作り出しているのはドコモ本体であることを理解してほしい……」
 

 あるドコモショップ(DS)関係者は、こう言いながら唇を噛んだ。

 スマホ端末を転売して利ざやを稼ぐ転売ヤーの存在は社会問題になっている。小誌はこれまで携帯キャリア1位のNTTドコモや2位のau、さらにはiPhoneの販売を行うアップルジャパンが転売ヤーによる契約や購入を黙認している実態を報じてきた。

 とりわけドコモの販売代理店・DSと転売ヤーの“蜜月”ぶりは際立っている。背景にあるのは、ドコモ本体がDSに課している“異常に高い”営業の目標値だ。

ドコモの販売代理店・ドコモショップ(DS) ©時事通信社

 中でも高く設定されているのが、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)による他社からのポートイン(乗り入れ)の獲得目標である。「普通にやっていてはとても達成できない数値。3カ月間で一定の基準を下回ると閉店対象になる可能性が出てくる」(同前)ため、DSは“組織ぐるみ”で転売ヤーに購入を依頼する。ドコモの井伊基之社長(64)は今年度時点で約2300店舗あるDSを2025年度までに約700店舗閉鎖する方針を打ち出しているため、“禁じ手”と分かっていながらも、DSは転売ヤーに頼らざるを得ないのである。

 今回、小誌はDSを苦しめるドコモの数値目標に関する内部資料を入手。そこには、DSの転売ヤー依存を作る“地獄のノルマ”の詳細が記されていた。

DSを“転売ヤー頼り”にするカラクリ

 まず、目標値はどのように策定されるのだろうか。DSを運営する大手代理店の幹部が説明する。

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source : 週刊文春