「消極的介護で稼ぐ」

〈人間扱いではない感じがする〉。ベテランのケアマネがこう漏らした老人ホーム。その実態を探るべく、関西の当該施設に潜入した。一見何の問題もないように見え、職員の愛想も悪くない。だがそこで待っていたのは……。

　京都駅から30分ほど在来線に揺られて小さな駅に着いた。駅前で山田敏子さん（仮名）と待ち合わせをしたのは昨年9月のことだ。山田さんは関西地方の街でケアマネジャーとして働いている。

　きっかけは彼女から編集部に届いた一通のメールだ。内容は、山田さんが仕事で月に一度訪問している住宅型有料老人ホームに関する情報提供だった。彼女はメールにこう記していた。

〈人間扱いではない感じがする〉

　メールの要旨はこうだ。

　安い入居費用で365日、デイサービスも受けられると謳う老人ホームが、実際には、まともな介護をしていない。これが介護施設といえるのか疑問だ、との内容だった。

　前回の記事では、儲け主義の経営者と、慢性的な人手不足について触れた。山田さんが疑問視するこの施設も、地元の営利企業が運営しており、利益優先主義の経営者の下で、人手不足が続いているという。

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source : 週刊文春 2023年2月9日号

「介護はなぜ儲かるのか」

酷使される外国人

短期集中連載「介護の闇」④