独立リーグ出身投手として初めて侍ジャパン入りを果たした、虎の誇る若き最強リリーバー。その急成長の裏には高校でのマネージャー経験、そして富山で出会った師の存在があった。
(湯浅京己 Atsuki Yuasa 1999年7月17日、三重県生まれ。19年に阪神タイガースに入団。プロ4年目の昨季、59登板で45ホールドポイント、防御率1.09の好成績を残し、最優秀中継ぎ投手賞と新人特別賞を受賞した)
「監督、自分ピッチャーをやりたいので、今日から練習します」
2016年の秋の東北大会が終わった直後。聖光学院高校の斎藤智也監督は、2年生の湯浅京己の言葉に驚き、思わず聞き返した。
「お前、本当に大丈夫なのか?」
それまで、湯浅のプレーを斎藤監督は見たことがなかった。湯浅は高校入学直後の春に腰の成長痛を発症し、練習に参加できなくなった。それ以降1年半もの間、彼はマネージャーとしてチームメイトの食事の米を炊き、東北大会ではスコアラーを務め、チームを献身的に支え続けていた。
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source : 週刊文春 2023年3月2日号