教え子に電話をかけた。
「本を返してくれないか」
「何の本ですか?」
「分からない。最近物忘れがひどくてね。手元にないんだ。3日間探しても見つからないから、君に貸したとしか考えられない」
「待ってください。何の本か分からないのなら、どうして見つからないと判断できるんですか?」
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source : 週刊文春 2023年3月30日号