「いや、だからさあ。組織として役員のポストはあるわけだから、誰かつけなきゃいけないでしょう」
財団法人の理事長に電話でこう迫る男性。声の主は、国土交通省の有力OBだ。
国交省OBが「空港施設株式会社」のトップ人事に介入した問題を巡り、小誌は先々週号で“ポスト要求音声”を報道。立憲民主党が省庁幹部の再就職状況を調査するよう衆院に要請するなど、天下りの実態解明を求める声が高まっている。
「うちの法人でも同じような問題が起きています」
そう明かすのは、「一般財団法人土地情報センター」の職員だ。1986年、旧国土庁が所管する公益法人として設立され、2011年からは民間色の強い一般財団法人に移行している。数年前から民間企業との提携で地図データの販売なども手掛け、収益の安定化を図っているという。
「センターの理事長や常務理事には代々、国交省OBが就いてきました。前理事長の馬場健氏も元本州四国連絡橋公団監理官です。ただ、国からの事業が減る中で、馬場氏は自らの退任前に運営の健全化を図ろうとしていた。特に報酬年1800万円とされる国交省出身者の常務理事ポストを無くそうとしていました」(同前)
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source : 週刊文春 2023年4月27日号