「ファイターズ時代の恩師である栗山監督の笑顔を見られたのが、教え子としては一番嬉しかった。大会後、監督に言われた言葉がとても印象に残っていて――」

 

 小誌の取材にそう語るのは、元日本ハム投手の斎藤佑樹氏(34)だ。

 2006年夏の甲子園決勝で早稲田実業を初優勝に導いた斎藤氏。この年の3月に行われたのが、WBCの第1回大会だった。

「早実の先輩でもある王貞治監督が侍ジャパンの指揮を執って優勝した。僕たち早実ナインはそれにすごく刺激を受けて『先輩が世界一を取ったから、僕らも甲子園で優勝しよう』って団結できていたんです」

引退後は「株式会社斎藤佑樹」を設立

 その後、早大を経て、10年のドラフト1位で日ハムに入団。今回の侍ジャパンには栗山監督に加え、日ハム時代のチームメイトも目立った。2歳上にあたるのが、ダルビッシュ有だ。

「ダルビッシュさんとは1年間しか一緒にプレーしていませんが、面倒をよく見て頂きました。ただ、大会前の宮崎合宿でお会いした時は、昔以上に積極的に自ら後輩に話しかけていく姿が印象的だった。『どんなアドバイスをしているんですか?』と尋ねたら、『アドバイスじゃなく、意見交換。自分が色んな選手から学びたいんだ』と言っていました。そうした姿勢が、後輩たちから慕われる大きな要因になったと思います」

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source : 週刊文春 2023年4月27日号