人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。

 “生”より“性”に俄然、興味があった中学生時代、黒澤明監督作『生きる』(’52)を観た。

 雪が降る夜の公園で、ひとりブランコに腰掛け、

 “いのち短し 恋せよ乙女♬”と、涙しながら口ずさむ初老の公務員。

 医者から告げられた重い病気。

 悲しみのドン底に突き落されるが、今を生きることの大切さを知るきっかけとなる――。

 僕はリバイバル上映がかかった映画館でボロ泣きし、その帰り道、近くの公園に立ち寄り、ブランコに乗った。

 そして“いのち短し 恋せよ乙女♬”と、主人公に成り切り口ずさんでみたのだが、どうもしっくりこない。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます

週刊文春電子版に超おトクな3年プラン59,400円が登場!月額プラン36ヵ月分と比べて19,800円、年額プラン3年分と比べて6,600円おトク!期間限定12月2日(月)まで!

キャンペーン終了まで

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

  • 3年プラン

    59,400円一括払い、3年更新

    1,650円/月

    オススメ!期間限定

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2023年5月25日号