沢田研二に時代が再び追いついてきたようだ。
映画『土を喰らう十二ヵ月』でキネマ旬報ベスト・テンなど複数の映画賞で主演男優賞に輝いたのも記憶に新しいところだ。
そして沢田の誕生日に開催された“因縁”のさいたまスーパーアリーナでのライブでは、なんと一万九〇〇〇枚のチケットが完売した。快挙だ。五年前の公演キャンセル、いわゆるドタキャン騒動を巡って、昼の情報番組で「七千人のファンが可哀想だ」と善人ぶったお笑い芸人たちの発言を、私は嘲笑した。
BS-TBSはコンサートを前に『沢田研二 華麗なる世界 永久保存必至!ヒット曲大全集』で、全二四曲を放映した。
ザ・タイガース時代の曲や、日本レコード大賞を選ぶステージの華やかさと緊張感も時代を越え伝わる。
しかし七八年から始まった『ザ・ベストテン』が観ていて心地よい。まだ若く手強い黒柳徹子と久米宏の司会陣を相手に、軽く受け流したり笑ってみたり、ジュリーは軽快にトークしてからマイクに向かう。
早口でジュリーに絡んでいく徹子さんが本当に嬉しそうでね、彼のフェロモンで躁状態になっているのが可愛くて一見の価値あり。
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source : 週刊文春 2023年7月20日号