林修が三谷幸喜にインタビュー、ディープな歴史放談かと思いきや

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青木 るえか
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ

『どうする家康』は初回から「俺の白ウサギ」とか織田信長が言い出し、2回目を見たら「ネオ大衆演劇」みたいな「イケメンカブキもののふ」みたいな連中がワラワラ登場し、大河ドラマというのはもう初手から「何か変わったことをブチかまさねばならない」ことになったのか。

 しかし今回取り上げたいのは、そんな『どうする~』2回目が終わったあとの時間を狙って(邪推)放送されました『日曜日の初耳学 【三谷幸喜×林修『鎌倉殿の13人』(秘)話&大泉洋からクレームが】』。

林修 ©文藝春秋

 老人みたいなことを言うが、昔はテレビ局ってのは「他局のことは“ない”もの」だったよなあ。他局の番組に言及するなんてことは「屈辱」ぐらいに思ってそうだったが、今はもう、数字が取れれば何でもする。『鎌倉殿~』にハマっていて『どうする~』についていけない層(一定数いるとみる)が「やっぱり『鎌倉殿~』の思い出にひたりたい」というニーズに応えたものとして見てみた。

 林先生による三谷幸喜インタビュー。最初に、2人が歴史好きであるということが語られ、『別冊太陽』の「戦国百人」「明治維新百人」を2人とも持っていた、他に持ってる人と会ったことがないと盛り上がる。70年代の『別冊太陽』ネタがいきなり。三谷幸喜の同級生が江藤新平に激似なんだけど誰も江藤新平の顔を知らずわかってもらえなかった学生時代、という話あたりで、「これは林先生と三谷幸喜の歴史ネタ語りが始まるのか」と身を乗り出す。三谷幸喜の脚本作品があまり好きでなくても(それは私。笑わせようとするところで笑えなくてつらくなるので)、三谷幸喜の歴史上の人物に対する思い入れはよくわかるし、どうせ他人とは違うところに思い入れをしているに違いないし、その思い入れを面白おかしく語る能力は確実にある。聞き手が林先生ならディープな歴史ネタでもついていける。

三谷幸喜 ©文藝春秋

 が。話はそういう方向には行きませんでした。『鎌倉殿~』に出てきた俳優の裏話とか……三谷ドラマや三谷映画に出てきた俳優の裏話とか……それでお約束のように大泉洋が出てきて笑い話におさまる突っ込みをして笑い話におさまる。三谷幸喜が「ドラマ制作は制約ばかりあって、でも制約のある現場のほうが面白いものができる」みたいなことを言ってたが『鎌倉殿~』がらみのコメント取ってくるなら大泉洋を封印するという制約を発動してほしかった。小池栄子に話を聞いてくれよ。……それでも笑い話におさまる話で終わるんだろうけど。

 三谷幸喜による誰もついてこられないようなディープ歴史放談こそ『鎌倉殿~』ロスに陥っている人が求めているものではないのか?……ないのかもしれない。

『日曜日の初耳学』
TBS系 日 22:00~
https://www.mbs.jp/mimi/

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source : 週刊文春 2023年2月2日号

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