森が潰した幻の“塩谷会長”、下村を非難する㊙音声、15人衆の本音、改造でも最大派閥が迷走した深層――。
自民党最大派閥・安倍派(清和政策研究会)の新体制が発足した翌日の9月1日。元文科相の塩谷立(73)、官房長官の松野博一(61)、参院幹事長の世耕弘成(60)の姿は、銀座7丁目のすき焼き店「柿安」にあった。彼らを招待したのは首相の岸田文雄(66)だ。
「これからも岸田政権を支えてもらいたい」
内閣改造が迫る中、酒杯を傾けつつ、3人の派閥幹部に、そう念押しした岸田。会食は和やかな雰囲気で進んだという。終了後、店の外で待ち構えていた記者団から声がかかると、塩谷と世耕がほぼ同時に答えた。
「総理を我々は、しっかりと率先して支えていくとお伝えしました」
我先にと声を重ねた2人の様子は、主導権争いが続く派閥の内情を浮き彫りにしたのだった。
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source : 週刊文春 2023年9月21日号