健康長寿の第一歩は自分で噛んで食べることだ。ところが肝心の入れ歯が合わないという悩みも。医療現場を取材してきたジャーナリストが、歯科医療の最前線を徹底調査。そこから見えた最良の「噛める入れ歯」とは――。
高齢になると歯が悪くなり、食べることが億劫になる。その結果、食が細くなると、筋力の低下や栄養不足を招く。そして最終的に寝たきりや認知症になるという悪循環を生む。
そこで鍵を握るのが、いくつになっても「噛む力」を維持することである。
青汁で有名なキューサイ株式会社が、2021年、100歳を超えても元気な100人を対象に「健康長寿の秘訣」を調査した。その調査でわかったのは、「元気な100歳の8割が噛める“歯”を持っていた」ことだった。
さらに、調査結果を細かく見ていくと、自分の歯だけで食べている人は3割ほど。7割が入れ歯で、総入れ歯が55%もいた。
つまり、自分の歯が無くなってしまっても、“噛める入れ歯”さえあれば、健康長寿を達成できるのだ。
これまで、日本歯科医師会などは、80歳でも20本以上の自分の歯を残そうという“8020運動”を行ってきた。しかし、今年発表された厚労省の調査結果によれば、80歳から84歳で、20本以上の歯が残っている人は、45.6%と半数に満たない。85歳以上は、その割合がさらに下がっていく。
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source : 週刊文春 2023年9月21日号