新聞各社はこの発表がよほどうれしかったとみえる。公正取引委員会が公表したIT大手と報道機関との取引実態に関する調査報告書のことだ。朝日は一面トップと二面ブチヌキ、読売は一面と三面、九面で大展開した。
報告書のポイントはいくつかある。(1)ニュースポータルサイト「ヤフーニュース」を運営するヤフーの力が強く、報道機関との関係で優越的地位にある可能性がある(2)2021年度にニュースポータルサイト6社が報道機関側に支払った記事利用料は1000ページビューあたり平均124円だった(3)6社のうち最も多く支払っている会社は251円、最も少ない会社は49円で約5倍の開きがある――。
ありていに言えば報告書は「ポータルサイトはメディアの記事を安く買いたたいているのではないか」「ヤフーはひどいんじゃないか」と指摘していて、各新聞はデカデカと紙面を割いて「そうだ! そうだ!」と騒いでいるわけだ。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
コメント機能も使えます
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2023年10月5日号