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chocoZAPの会員数が80万人を超え、国内フィットネスジムにおいて、日本一の会員数になりました。その頃、手にとったのが、『LTVの罠』(垣内勇威 日経BP 2200円+税)でした。
LTV(ライフタイムバリュー)は、一人の顧客が生涯にご利用頂ける売上利益の合計額を指す言葉です。
実は、私がchocoZAPを設計する際に、意識の9割を向けていたのが、このLTVでした。振り返れば、通販から起業した私は、ライザップでもchocoZAPでも最重要の指標としてLTVを追い求めてきました。通販やフィットネスジムの業界では、普遍的な指標でもあります。
化粧品や健康食品、ジム、今や一般的になった動画配信などのサブスクビジネスは、継続して買い続けてもらうことで、利益が生まれます。逆に言えば、LTVが新規顧客の獲得コストを上回れば、ビジネスとして成立する。
だからそうした商品やサービスを扱っている会社ほどLTVを重視しています。小売りのPOSシステムでは、何が買われたかということまでしかわかりませんが、通販やジムはIDによって「誰が何を買ったか」、つまりそのお客様がいくらお金を使ってくださったかを追うことができるので、必然的にLTVに意識が向きやすくなるのです。
本書にも指摘があるように、LTVは測定しづらいとよく言われます。しかし、比較対象となるコントロールグループを正しく設定し、生涯とはいかなくても「1年LTV」といった形で検証していくことはできます。
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source : 週刊文春 2023年10月5日号