刀は抜くべからざるもの|伊藤秀倫

蒼空に擲つ 永山弥一郎を探して 第6回

伊藤 秀倫
ライフ 歴史

 薩摩に伝わる門外不出の剣術「示現流」の道場に潜入

 

【前回まで】「薩摩人のことを書くなら、郷中教育を押さえておくべき」。“指南役”の中村彰彦氏の助言で、薩摩式スパルタ教育の実態を知ると、薩摩における永山弥一郎の異質さが浮かび上がった。そして茶坊主時代の弥一郎に影響を与えた人物が――本連載は西南戦争で散った薩軍三番大隊長・永山弥一郎の生涯を掘り起こす「同時進行歴史ノンフィクション」である。

【2023年3月 鹿児島市内・示現(じげん)流兵法所】

「本当にこんなところに?」

 半信半疑で鹿児島随一の繁華街、天文館を抜けると、墨痕(ぼっこん)鮮やかな看板が目に飛び込んできた。

〔示現流兵法所〕

 まるで墨文字そのものが“結界”であるかのように、この場所には周囲の喧騒とは隔絶した気配が漂う。

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source : 週刊文春 2023年10月5日号

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