他人の目は節穴である。その証拠に、わたしを尊敬する者が一人もいない。
だが、他人の目に驚かされることがある。
東大に入って1年後、真冬でも裸足にサンダル、ジーンズにジャケット1枚、風呂は月1回というホームレス風の姿で渋谷を歩いていて、衝動的に占い師に見てもらったところ、「惜しいねぇ。あんた、真面目に勉強していたら東大にだって入れてたよ」と言われた。知性は隠せないものだ。この占い師も実に惜しい。もう少し見る目があったら競馬で食っていけただろう。
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source : 週刊文春 2023年10月12日号