300年前の生活を守り、電気や自動車を拒絶してアメリカ中西部に暮らすスイス系移民、アーミッシュの村に取材した話の続き。アーミッシュを世界に紹介した映画『刑事ジョン・ブック/目撃者』から38年経って、アーミッシュは少しずつ変化していた。
オハイオ州の「アーミッシュ・カントリー」に入ると、緑の丘が広がっている。その道路を黒い馬車(バギー)が通っている。運転しているのは長いあごひげを伸ばした男性と、頭に白いボンネットをかぶった女性。アーミッシュだ。
自転車も多い。だが、よく見ると、みんな電動自転車だ。電気はご法度じゃなかったの?
「このへんは坂が多いから、電動自転車はOKということになったんだ」
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source : 週刊文春 2023年10月12日号